ドアの近くに立ち尽くすアルクに、ティアラは駆け寄った。
自分とは随分身長差があるアルクをティアラは淡い紫の双眸で見つめる。
「どうか…アルク様がご無事でお戻りになれますよう、毎日ここから祈りますわ。
私に朝食を届けてくださるからではありません。
アルク様は…皆から信頼されています。
皆、アルク様が沈んだお気持ちのまま戦地に向かい、怪我などされたら、心から心配しますわ…。
だから……っ!!」
ティアラはそれ以上言葉を続けることができなかった。
息も詰まるほどの強い力で…彼女は一瞬のうちにアルクにかき抱かれた。
