「陛下……」
「アルク、安心しなさい。
魔物を捧げし後には、この国に平和が訪れるであろ。
そうだろう?ターニャ。」
いつから、歯車はずれてしまったのだろう…。アルクは絶望的な思いに駆られる。
彼がティアラに抱いてきた想い。
自分がもっと高い階級を与えられたときに、彼女をあの塔から救い出したいと、そのために我今まで慢してこの我が儘な王陛下に忠実に仕えてきた。
それだけを目標として来たというのに…彼女は近々仕掛けられる戦のための人柱となるのだという。
(本当に優しいのは…私なんかではなく、幽閉されてまでお心が擦れることなく、兄のことも恨まず、全て背負われているティアラ様だと言うのに……)
