「そんなことっ……。 放してっ……!」 細い腕で、懸命に自分を押し返す彼女の拒絶。 …だが、リューンの鍛え抜かれた体では、それを封じ込めるのは容易なことだった。 「…すまないが、それは聞けないな。 それに…、そんな掠れた声で言われても、大して効果がないことくらい覚えておけ。 ………あと、」 そこまで言うとリューンは、強く噛み締めて赤くなっているティアラの下唇に手を伸ばす。 「我慢せずに、泣けばいい。 …だから、噛むなよ。 跡に残ったらどうするんだ。」