囚われの姫











「…そんなはずない。」







気がついたら、手を伸ばして、彼女の体を引き寄せていた。




女に関わるのは面倒臭いと、思っていたはずなのに。






ただ、彼女の心に巣くう孤独を取り払ってやりたい一心で。






「処刑されるべき人間など、存在しないよ。

……お前がそんな理不尽な理由でこの世から消えていたら、亡くなった父と母は悲しむに決まってる。


…それに、知らないだろう?

俺が、お前がまだ生きていることを知ったとき、どんなに安心したか。」