囚われの姫









「よかった…。」





深いため息とともに落とされた言葉に、マクサスが上を向くと、ふっと微笑むリューンと目が合う。



(こんなに穏やかに笑う主を見たのは本当に久しぶりだ…)




マクサスがそんなことを考えていると…







「…見舞っても構わないか?

それとも今日は…安静にしておいた方が?」





布団の中で耳をそばだてるティアラは、なんだか昼間に初めて会った時とリューンの雰囲気が違うような気がしてならなかった。




最初は部屋に入る時に、…ティアラはよく覚えていなかったが、たしか、今のように入室の許可を取るなどしていなかったのではなかったろうか。







「ティアラ様。」





マクサスの呼びかけにティアラがそちらに目をやる。




彼の目は、構いませんか?そう言っている。






ティアラはこくりと頷いた。