「姫の容態は?」 扉を開けるなり、リューンは険しい表情でマクサスに尋ねる。 一見、眉間に深いしわを刻むその顔は、元が端正なことが重なって、恐いようにしか見えない。 しかし、長年リューンの側近を務めたマクサスならば、これは彼なりに反省した結果、どうやら自分に対しての怒りらしい、ということは一目瞭然だった。 「つい先程、目を覚まされました。」 「本当か!?」 なぜ早く知らせなかった!と言われることを覚悟し、マクサスは思わず下を向いた。 …が、その考えは杞憂だったらしい。