「で、いつになったらあの世へ行けるの?」
逸れた話を戻した。
「だから、手続きがあるんだ。まずサイコロをふれ。」
そんなこと言われたって…
サイコロは相変わらず目の前でふよふよ浮いている。
「ふれない。」
「だぁー!もう仕方ないな!」
天使が指をピッと動かすと、サイコロがくるくる回りだした。
「ストップと言え。」
なんだ。
「早くそうしてくれれば良かったのに。」
「これは特別だ。ここまで待ってサイコロをふれない奴なんてお前が初めてだ。本来は自分でやらないといけないんだぞ。」
天使はぶつくさと文句を言った。
「ほら、はやく言え。」
はいはい。
適当でいいや。
まず、何の為のサイコロかも分かんないし。
「ストップ。」
サイコロがピタリと止まった。
天使の顔が歪む。
出た目は、6だった。


