「ふれ。」



「どうやって?私に身体あるの?」



「望めばサイコロは転がる。」



そんな事言われたって…

こっちは、死ぬのなんて初めてなんだから、もっと丁寧に説明してよね。

私は無言でサイコロを見つめた。

動かないし。



「考えるんだよ。サイコロ回すイメージ。」



天使が呆れたように言う。

イメージって言ったって、どうすれば。



「あぁ、もう想像力のない奴だな。」



「しょうがないじゃない。死ぬのなんて初めてなんだから。」



「大抵の奴はすぐ出来るぞ。お前が変なんだ。」



「知らないわよ。」



「早くあの世へ行きたいと言った時点でおかしかった。面倒な仕事を任されたもんだ。お前、自殺だな?」



「…そうだけど。」



「俺達の仕事を増やすな。なんで自殺なんかしやがる。」



盛大な溜め息をつかれた。

なんでって…