天使は無表情だった顔を少しだけ崩して、こっちをじっと見てきた。
なによ。
「連れて行ってくれないの?」
仕事してよ。
オサボリ天使め。
「今なんか思っただろ?」
完璧な無表情に戻った天使にギロリと睨まれた。
「別に。」
綺麗な顔で睨まれると怖い。
天使なら優しく微笑んでよね。
「ね、早く連れて行ってよ。」
「まぁ待て。あの世へ行くにも順序ってもんがあるんだ。」
そう言うと天使は、ポケットから小さなサイコロを取り出した。
そして、ポイッと投げて寄越す。
すると、サイコロは私の前でふわりと浮かんだまま止まった。