天使のサイコロ



学校も嫌いだった。

正確には嫌いになった。



次々変わる虐めのターゲット。

ターゲットを決める王様は毎日をゲームみたいに楽しんで、それでも急に王様がターゲットになることもある。


馬鹿馬鹿しいと思った。


誰に媚びへつらっても絶対の安全なんてない。教師だって同じだ。





友達がターゲットになった時、私はこっそり手紙を書き続けることしかできなかった。


私がターゲットになった時、友達はあっさり私を裏切って王様の元へ行ってしまった。


その時、私は全てを仕方ないと受け入れたけれど、もう心の底から何かを信じることはできないと思ったし、したくないと思った。

だから、ターゲットがまた変わった時、私はもう無関心でいることにした。


スイッチを切ることで、心を保っていた。そんな気でいたけれど、バランスはすぐに壊れた。


学校へ行くまでの電車の中。学校が近づくにつれて、手が震えてくる。次第に息が詰まって動悸が激しくなる。そうして、怖くて堪らなくなって電車を降りてしまうということを繰り返した。

それから、私はあの公園で暇を潰し、夜になれば軽いノリの連中となんとなくつるんで、家には明け方帰るという見事な転落人生を歩み始めたのだった。