走って、走って気がつけばあの場所に来ていた。 自殺する前、学校にも家にも居場所が見つけられなくて、いつも逃げ込むようにして来ていた小さな公園。 ある時ここで星を眺めてたら、ちょっとヤンチャな連中に声を掛けられて、それからここで毎晩集まるようになった。私の秘密基地。 今は夕方だからか、まだ誰もいない。 そもそも、私が死んだ後もみんながここに集まってたかどうかさえ自信はないけど。 ブランコに腰掛けて、黄昏の空を見上げる。そうして、色々なことを思い出してみた。自殺する前のこと。