それから検査だなんだって私の周りはバタバタしていて、気付けばあっという間に1週間が経っていた。
「退院おめでとう。」
そう言って笑いかけてくれるお父さん。私はというと……
「……うん。ありがと。」
「どうした?浮かない顔して。退院だぞ?」
そりゃあ、浮かない顔もしますとも!
だって、うっかり生き返っちゃって、うっかり健康体にまで回復しちゃって、それで退院だよ?!
腑に落ちないに決まってるじゃない!
今頃あの世でふよふよ浮いてる筈だったのに。
あぁ、太陽の光と風に乗った緑の匂いが憎い……
不貞腐れた顔のまま、慣れ親しんだ我が家へ到着。家の中に入ると、帰ってきてしまった恐怖が一気に現実味を帯びて膨れ上がる。
やだ。
家に居たくない。
私は思わず家を飛び出した。
「……?!どこ行くんだ?!」
お父さんの声を振り切って闇雲に走った。


