天使は、はぁーと大きくため息をついた。
「おそらくだがな、俺がサイコロを回したのがいけなかったんだろうな。」
「どういうこと?」
「考えてみろ。善の塊のような天使が力を貸したんだ。そりゃあ、いい方にプラスされてもおかしくないだろ。」
「あんたみたいなのでもやっぱり天使は天使なのね。」
「あ?なんか言ったか?」
ボソリと言ったはずなのに、天使は眉間にシワを寄せて睨んだ。
「なんにも言ってません。」
天使は地獄耳。
うん。気をつけよう。
「まぁ、いい。それで、お前は生き返るんだが」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「なんだよ。うるさいやつだな。まだ何かあるのか?」
「ある!大あり!」
天使は面倒だといった感じで、またため息。
幸せ逃げるよ。
ため息はムシして、天使に物申す!
「私、生き返りたくないんだけど。」
ため息をつかれると思ったんだけど、天使はただ真っ直ぐにあたしを見ていた。


