新は、それはいいから、と私に名前を言うよ うに促す。 「私は、一ノ瀬千尋。わかったら、私の眠り の邪魔しないで?」 言って、しかし私は寝ようとはしなかった。 目の前のこの男は狼なのだから。 「お前のことだったのか…、眠り姫ってのは。 」 新はボソッと呟く。