504号室の住人




「私は裕美、彼は史夜。あなたは?」

霊媒師が霊に向かって話しかけているのをみたことがある
しかし、霊に自己紹介されるなんてあるのだろうか。



「…あ、えっと…悠です」
「女かよ!」

棚の上にあぐらで座っている史夜が驚いたように身を乗り出して言う


「男です」
「悠ちゃんね、かわいい名前してる!」

「男です」



先程まで混乱していた頭は落ち着きを取り戻していた
よく考えれば可笑しな状況。幽霊と話すなんて。