「なにやってんのこのバカ!」
「いてっ!」
聞こえたのは銃声ではなく、ゴッという鈍い音。
どうやら男が何者かに殴られたらしい。
目をゆっくり開けるとまた信じられない光景。
ゆるいウェーブのかかったロングの黒髪の女性。髪は右側でまとめて結んでいる
どうやら主婦らしい。エプロンを着ている
ここまで普通なのだが、…やはり体が透けている
「何すんだ、この女ァ!」
「まだ幼いのよ。びっくりするに決まってる。ほら、どいて!」
女に促され男が渋々と悠の上から退いた。女は悠の顔を包み込むように触る
確かに、感触があるが不思議な感じだ。空気に触られているような、冷たい感じ
「ごめんね、おじちゃんが乱暴なことをして」
ふわりと笑う女。悠は少しは気持ちに余裕ができたらしくこくこく、と頷くことだけした。
「まだ26だ!」
「…おにいさんが乱暴なことをして」