「西田、何?吉本さんとからんでんの?」

「智樹、吉本さん、迷惑そうだよ」


こいつが教室に入って来たら、男子も声かけるし、
女の子たちも

「あ、西田くん」

って言ってる声が聞こえた。

人気者ってやつ?

性格悪いのにね。


「迷惑なんかじゃ全然ないよね、佐緒里」

「・・・迷惑」


って言った途端、またコピーを取り出す。


「なことは全然ない!」


にっこり笑う悪魔。

小声で、

「お仕置き決定。

俺が教室出るとき、大声で、トモ、今日一緒に帰ろう、待ってるね、って言え。」


「は?」


素早く席を立って、教室の入り口に向かって歩く。

手にはコピーをこれ見よがしに持ってる。