月島目掛けて飛んでいくボール。
当たったら絶対に怪我する、しかも本人気づいてないし……
「月島!!」
そう叫んで、やっと飛んでくるボールに気づいたみたいだ。
気づけば、俺は走ってた。
パシッ!
月島に当たる前に、ボールを受け止めることができて安心してると、
「………ん?」
と、抜けた声が聞こえた。
「月島、大丈夫?」
「え、あ、うん…だ、大丈夫…です。」
状況がやっと理解できたように、しっかりと目を見て言った。
フワッ…
また、せっけんの香りだ。
「………やっぱり」
俺はさらに月島に近づいた。
「……やっぱり、そうだ…」



