ここは 小さな田舎町。



そして あたしは､
佐々木 美佳 姫川中学校の３年。



中３にもなれば、当たり前のように､みんなは恋愛に何かと興味を持っています。



でも… あたしは、恋というものに全く興味と縁がなかった。


アイツと出会うまでは………



３月１７日（×）


キーンコーンカーンコーン



ホームルームが終わり､下校のチャイムが鳴り響く。


あたしが、いつものように自転車で帰ろうとすると…


「「「美佳ぁー！！ちょっと恋バナしようー」」」


「ぎぇっ」


あたしの名前を爆発的に呼びかけたのは ､


日菜月 香夜､早川 玲魅､星崎 亜希の３人だった。


この３人は､あたしの親友で


香夜は、運動が得意で、頭もいいから あたしに勉強を教えてくれる。


玲魅は、綺麗でオシャレな上にスタイル抜群！！あたしの服選びとか付き合ってくれています。


亜希は、明るくて面白くて優しい子。
あたしのお姉ちゃん的存在。


こんな完璧な３人には､彼氏がいるようです。
いわゆる リア充と言うヤツですよ。


この３人は､あたしがなかなか彼氏をつくらないから 毎回…


「美佳って 彼氏作らないの？」


（はい 来ましたーーー）


最初に喋り出したのは､玲魅だった。


「だって､恋なんて興味ないし彼氏ほしいと思わねぇし。」


あたしが面倒くさそうに言うと…


「「「あんた バカじゃないの！？」」」

３人の怒鳴り声が あたしの耳に響いた。

「なんだよっ うるせぇなー」


ちょっと キレ気味なあたしに向かって 香夜が呆れたように


「美佳って恋したことないの？」


「ぜ～んぜんっ♪」

あたしが ヘラヘラしたまま首を横に振ると３人同時に


ダンッ！！！
机を叩きつけて あたしに言った。


「「「美佳っ!! 合コン行くよ！」」」


（はーー！？いきなり何言ってんだコイツらぁー！！）


「ちょっ…」


香夜たちは、あたしの腕を掴みズルズルと引きずりながら どこかへ連れて行こうとしていた。


「おいっ！どこに連れてくんだよーーっ！！」



この合コンが 全ての始まりだなんて、今のあたしには、予想もしていなかった…。