新撰組(仮) 二

その時、不意に千春の言葉が頭によぎった。




『奏楽様は、もう壬生浪士組には帰ってこないかもしれません』




その時は、何の冗談だと軽くあしらっていたが今ではその言葉が、土方の心の中に重く沈んでいることに気が付いた。




総司が、心配だ、と言っていた。



でも、俺はあいつを信じたい。



あの、決意に満ちた瞳を。




土方は、考えこむように目を閉じた。



自分の、この不思議な感情の意味を探し出すかのように。




瞼の裏に映るのは、奏楽の姿。





(俺は、一体何を考えているんだ…)



土方は、閉じていた瞼を、反射的に開いた。




奏楽の姿と、この感情に何の繋がりがあるというのか。




はあ、と一つため息を零し、もう一度目を閉じても結果は同じ。




何度繰り返しても瞼に映るのは、奏楽の姿。