新撰組(仮) 二

日が昇り始めた頃、準備を終えた私は炊事場へと向かっていた。


「おはようございます!」


土間におりた私を千春が迎えてくれる。


「おはよう。早いね」


「いえいえ、私も今来たばかりです」


先に来ていた千春に話しかければ微笑みが返ってきた。


隣に立ってあさげ準備を手伝う。


「あれ、沖田さんはまだ?」




私の半年の休暇な最中、今まで私が担当していたご飯作りは、前同様、当番で回すことにしたらしい。


女中である千春は毎日作るわけだが…


そんなこんなで、今日の当番は私と沖田さんのはずなのだが…


「あ、沖田さんなら今、裏で野菜を洗ってもらってます。」


「あ、奏楽ちゃんおはよう」


その時ちょうど良く沖田さんが入口から入ってきた。

手にはかぶのはいったかごを抱えている。



「おはようございます沖田さん。今日はかぶの味噌汁ですか?」



「うん。楽しみにしてて。」


「…味噌汁」


沖田さんは破壊的味覚の持ち主で、とにかくしょっぱい味付けだったと記憶していたのだけど…


(まぁ、味噌を入れるときに用心してればいっか…)


そんなこんなで私も朝餉作りに取り掛かるのだった。