きゃあああーー!
考えれば考えるほど恥ずかしくてたまらない。
いったい何を考えていたんだ、私は…‼
「…うーん、そんな恥ずかしがることないと思うよ?」
「どうしてですか?!」
「誰だって仲のいい、気心しれた人が誰かに取られたらそりゃ嫉妬したくなるでしょ?それにきっと、斎藤隊長だって、奏楽さんに嫉妬してるんじゃない?」
「斎藤さんが…?」
「うん。
だって、たとえ恋仲になったとしても千春ちゃんはきっと、奏楽さんのほうを
一番に考えるだろうしね。」
「…で、でも」
「僕を誰だと思ってるの?
監察の山崎烝だよ?
人の感情を読み取るのは自信があるからね!」
えっへんと右手でこぶしを作って左胸にあてる山崎さんを見て、笑顔がこぼれる。
山崎さんは、仕事で土方さんの隣にいるときと、そうじゃないときの差が激しい。
仕事の時はいつも冷たい雰囲気をまとって、怜悧な目をしているけど、今はそんなことを感じさせない、優しい目をしていた。
(じゃあ、きっと土方さんのも…)
思い出しただけでまた涙が出そうになった。
土方さんに好きな人がいると知った時のあの胸の痛み。それだけじゃなくて、喉まで上がってきた、どろどろとした自分の感情。
(あれは…嫉妬だったのか)
伝える前に失恋。


