新撰組(仮) 二

その後、気を利かせてくれた山南さんのおかげで土方さんに捕まることはなかった私は屯所の廊下を歩いていた。


未だに私の手には発句集がある


立ち止まり、周りをキョロキョロと確認する。


誰もいないよね?

せっかくあるんだから土方さんの趣味を見てみたい…


周りに誰もいないことを確認し、ウズウズしながら冊子を開いた。


『梅の花 一輪咲いても 梅は梅』



「…」


ぺらりとめくる。



『知れば迷い 知らねば迷わぬ 恋の道』



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