「一さん。」


ふと呼ばれた声に振り返ると斎藤一が立っていた。


「久しいな、水野。」


相変わらずの無表情だが千春を見る目が優しい。

しかも呼び方が変わっていた。



これは、私がいない間になにかあったな…



「奏楽ちゃぁあん!!」


「ぐっ」


うしろからドンと抱きついてきたのは永倉さん。


「おうおう、少し見ねえうちに背えのびたんじゃねえのか?こりゃ越されるな、平助。」


「なっ、越されねえよ!!俺はまだでかくなる!!」


その後ろからわちゃわちゃと佐之さんと平助さんも被さってくる。



「おぉ!!帰ってきたか、水野君!!」


「やはり、水野君がいると賑やかですねえ。」


二人の後に少し遅れて、沖田さんが土方さんを連れてきて、近藤さんと山南さんのとなりに並んだ。



「ほらほら、奏楽ちゃん、帰ってきましたよ!!」


「見りゃわかるよ、んなもん!!でも、まあ、そうだな。」



あいつは、戻ってこないとも戻ってくるとも、肯定も否定もしていなかったな。




「おかえり、奏楽。」



奏楽を見ながらそう呟いたのは、となりにいた沖田しか知らない。