新撰組(仮) 二

にこっと笑っていえば
「ひ、」と涙目になりながら悲鳴を上げるように大きく口を開いた柊の口を近くにいた久佐波さんが抑えた。


なぜだ?



「申し訳ありません、奏楽さま。柊は私が後見人を務めているのですが少々…」


ちら、と柊の方をみると「ごめんなさいぃぃぃ!!」と言って部屋の隅で丸まっていた。


久佐波さんの手から逃げてあそこまでの移動…
は、はやい!!


「臆病と言いますか、人見知りといいますか…」


はぁ、とため息をつく久佐波さん。


右には、丸まってごめんなさい、ごめんなさいぃと泣く柊、左には、あの男…と呟くおじ様。



「…久佐波さん、大変ですね…」



思わず同情してしまった。




 


「…おじ様。」


泣く柊を慰めてしばらくしてから。


「お話があります。」


座を正しておじ様を見据えた。