それに気づいたのかどうなのか、おじさまはひたりと、視線を東宮に向けた。
それに応えるかのように、さらに強く握りしめてくる東宮。
「これはこれは蔵本殿。お久しい。」
「お久しぶりにございます東宮。巫女とのご歓談中誠に申し訳ないのですが巫女にとっては初めてのお披露目。緊張していたこともありまして『早く休息を』と仰ってくださった天皇さまに感謝いたしまして私どもはこれにてお暇(いとま)させていただきます。」
言い切った!!
途中で呼吸することなく早口で言い切った!!
早くその手を放せと言っているように聞こえたの、私だけの秘密だ。
「そうか、寂しいな、巫女殿。せめて、お名前を-------」
「ふふふ、東宮さまったらお上手なんですね。でも、口説く相手を間違えているんじゃなくて?私は-------」
先見の巫女ですよ?
※
「・・・すまなかったね。」
「何がですか?」
「東宮のことだよ。」
「・・・今思えば、私、大分失礼なことを・・・」
「・・・」
不安になって叔父さんを見るとふいっと目をそらされた。
お願いだからそこで目をそらさないでいただきたかった・・・!!
それに応えるかのように、さらに強く握りしめてくる東宮。
「これはこれは蔵本殿。お久しい。」
「お久しぶりにございます東宮。巫女とのご歓談中誠に申し訳ないのですが巫女にとっては初めてのお披露目。緊張していたこともありまして『早く休息を』と仰ってくださった天皇さまに感謝いたしまして私どもはこれにてお暇(いとま)させていただきます。」
言い切った!!
途中で呼吸することなく早口で言い切った!!
早くその手を放せと言っているように聞こえたの、私だけの秘密だ。
「そうか、寂しいな、巫女殿。せめて、お名前を-------」
「ふふふ、東宮さまったらお上手なんですね。でも、口説く相手を間違えているんじゃなくて?私は-------」
先見の巫女ですよ?
※
「・・・すまなかったね。」
「何がですか?」
「東宮のことだよ。」
「・・・今思えば、私、大分失礼なことを・・・」
「・・・」
不安になって叔父さんを見るとふいっと目をそらされた。
お願いだからそこで目をそらさないでいただきたかった・・・!!


