「巫女よ。」
ビクゥッ
いきなり後ろからかかった声にあからさまに肩を跳ねあがらせた。
やっちゃったよ、盛大にやらかしちゃったよ、今!!
振りむかないわけにもいかないので
恐る恐る振り向く。
この時の顔は、人様に見せられる顔ではなかったとは、あとから聞いた。
「………巫女よ、とてもお疲れのご様子だ。」
「あ…
御当主。」
おじ様に、少し間があったのはご愛嬌。
後ろから声をかけてくれたのはおじ様だった。
おじ様は安心させるかのように柔らかく微笑んだ。
「お疲れの巫女を案じて、天皇様が『早く休息を』と仰ってくださった。ここはお言葉に甘えて休もう。」
「・・・はい。ありがたきお言葉にございます。」
おじ様は微笑んで、一度頷くと顔を前に向けた。
視線の先には未だに私の手を握りつづける東宮。
・・・正体を知っちゃったから、余計に振り払えないんだよねーこの手。
私は乾いた笑顔を張り付けて、おじさまに助けを求めたのだった。
ビクゥッ
いきなり後ろからかかった声にあからさまに肩を跳ねあがらせた。
やっちゃったよ、盛大にやらかしちゃったよ、今!!
振りむかないわけにもいかないので
恐る恐る振り向く。
この時の顔は、人様に見せられる顔ではなかったとは、あとから聞いた。
「………巫女よ、とてもお疲れのご様子だ。」
「あ…
御当主。」
おじ様に、少し間があったのはご愛嬌。
後ろから声をかけてくれたのはおじ様だった。
おじ様は安心させるかのように柔らかく微笑んだ。
「お疲れの巫女を案じて、天皇様が『早く休息を』と仰ってくださった。ここはお言葉に甘えて休もう。」
「・・・はい。ありがたきお言葉にございます。」
おじ様は微笑んで、一度頷くと顔を前に向けた。
視線の先には未だに私の手を握りつづける東宮。
・・・正体を知っちゃったから、余計に振り払えないんだよねーこの手。
私は乾いた笑顔を張り付けて、おじさまに助けを求めたのだった。


