あの子のためになんて演奏しない。
それだけがあたしの抵抗。
プライド。
ちっぽけなちっぽけな。






大嫌い。






でも愛してる。







けど憎い。






なのに好き。






メトロノームが刻む一拍ごとに想いは揺れる。






―――好きです……







ソプラノの、澄んだ声。






耳の奥に残る、あの子の。






昨日の放課後の告白を思い出す―――。