大陸にその名は刻まれてたとえ死んでも朽ちることはない。



 偉大な大魔法使いルゥリ・ラトゥーサ。



 彼は僕を拾い育てた、一人の先生。


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 死の妖精と取引をしたことで有名な先生は二十八の容姿と若さのまま三百と少しを生きてこられた。つーか人間的に死ねよ、とは思うがある人物を殺すまでは妖精から死を取り戻すことは出来ないのだと言う。

「誰なんです」

「神」

 おっそろしく成功確率の低い非現実的な暗殺計画は無謀すぎて笑えるけど、それがいつものような冗談ではないことに僕は気がついてしまった。先生は最近風に乗ってあちこちを渡り歩いては古代魔法の禁書を手に入れ、研究を始めている。その先にあるのは空間をひらく為の究極闇魔法マグナゥ。

 どれだけ危険な魔法なのかは蝋燭に明かりを灯すくらいの魔法しか出来ない僕には計り知れない。究極闇魔法でも若返りの法でも今の僕にしたら雲の上の存在でどれだけ逆立ちしても僕が一生扱うことの出来ないくらい位の高い魔法だ。