チッサイ、オッサン

「……いない、な?」


念のため全神経をオッサンの気配に集中して、しばらく様子をみてみる。


「……出ない、な?」


昨日はすぐに出てきたオッサンの姿が、今日は本当にない。


「オッシャ!これで彼女と水入らず!」


今にもこぼれそうな涙を拭わず渾身のガッツポーズを決めた俺。


だけどそのまんま、ふと真顔で固まってしまった。