チッサイ、オッサン

「お先に失礼します!」


そして一切後ろを振り返らずに勢いよく会社を飛び出した。


ところが駅までの道を足早に進んでいたはずの俺の足が、トボトボとたそがれながら動いていることに気付いてしまう。


「ぬう!一体どうした俺!?オッサンを追い出してせいせいできる大チャンスなのに!なぜにちょっとヘコむ!?なぜに天にも昇る気持ちにならない!?」


俺は歩きながら一生懸命俺の気持ちを奮い立たせた。