チッサイ、オッサン

流れるような達筆で、『佐々木退散』という文字が書かれている。


ピンポイントかつダイレクト!


お礼を言った俺に、おばさんは少し困った顔をしながら意味ありげに笑った。


「うふふ、ねぇ?」


つられて俺も笑ってみる。


「へへへ、ねぇ」


お札をもらった安心感で、その後やっと仕事のスイッチが入った俺は、あっという間に帰る時間を迎えていた。