そして俺は昼休みになった瞬間、徒歩5分ほどの近藤の寺に小走りで向かった。


「近藤寝てるかもな。誰か寺の人に事情を話して普通にもらってこよう」


オフィスビルが建ち並ぶ中、なんだか場違いな感じでポツンとある古びた寺に着く。


そそくさと広い門をくぐると、前方に竹ぼうきで掃除をしているおばさんを発見した。


「あのー、すみませんがお札ってもらえますか?」


振り向いたおばさんが優しそうな笑顔で少し安心。


「はい、大丈夫ですよ。どのようなものがよろしいですか?」


そこで俺は説明に困った。