チッサイ、オッサン

そしてクルッと俺に背中を向けたと思ったら、テレビの裏の方にポーンと飛び降りてしまった。


「あっ、逃亡!しかし助かった!」


張り詰めた緊張感から一気に解き放たれ、フニャリとその場にしゃがみ込んだ。


でも俺の疑問はなに一つ解消されていない。


「佐々木さんって呼んでオッサンは振り向いた。しかし口がチューだったのは、正解不正解どっちのサインだ!?……わからない!!」


その時、俺は部屋中に漂う猛烈な悪臭に気付いた。


「うっ、臭い!オッサンの残り香!?」