チッサイ、オッサン

「佐々木さーんっ、グフッゲヘゲヘッ!!」


思ったより大きく、しかもものすごくいい声が出たことに俺が一番驚いてついむせ込んでしまった。


「俺は今、自分を制御できない俺が怖い!やっぱり己との戦いか!」


勝手に出たテノールの大声で心臓が飛び出しそうになりながら、オッサンをチラッと見てみる。


するとオッサンは。


ゆーっくりと


頭だけ動かして


俺の方を


見、た。