チッサイ、オッサン

「近藤がオッサンの正体は佐々木さんって言ってたよな。怖いけどたしかめてみよう」


俺は小さな声でその場からオッサンを呼んでみた。


「ささき……、さぁん?」


情けないことに少し震えたかすれ声しか出てこない。


呼び声が聞こえないのか、オッサンは俺の存在をシカトして変わらず草を見続けている。


「もっと声を張らねば!あれは朝までずっと見てる勢いだぞ!」


前かがみになっていた背筋を伸ばし、腹に力を入れて腹式呼吸をしてからもう一度呼んでみた。