近藤は寺をつぐというレールを捨てて、自分の道を見つけようと一生懸命戦っているに違いない。


たとえ外見が変わっても、俺なんかより遥かに悩んで頑張って生きているんだろうな。


「なんか、大変だったんだろうね」


少ししょんぼりした俺に、近藤は懐かしい笑顔をパッと輝かせた。


「大変?なに言ってんのー。俺ってこれでも人気ある方でさ、客との駆け引きで勝った時ほど嬉しいことないよ。客全員、札束に見えるもん」