小躍りしたい気持ちを必死に抑えて受話器を握りしめた。


「あの、早川といいますが近藤……えーと、近藤……、あの、近藤……くんは、ご在宅でしょうか?」


ヤバイ!すっかり近藤の下の名前を思い出すの忘れてた!


唯一の天の助けにしょっぱなから粗相をしてしまった俺が憎い。


すると電話口で少し変な間があいた。


「……早川か!?」


おおっ!天は俺を見捨ててはいない!!


「あっ、うん、俺のこと覚えてくれてたんだ!」


一気にホッとして自然と顔がにんまりしてしまい、正面に座っていた長谷川が気味悪そうにこっちを見ている。