4色のRain

こんなに大好きなのに。

どうしてカナちゃんの一番は僕じゃないんだろうって。

何度も考えたよ。


ハルちゃんがすごく嫌な奴なら良かったのに。

そしたら“ハルちゃんなんか好きになっちゃダメ”って言えたのに。


ハルちゃんは素直じゃない。

でも、本当は優しくて。

僕たちのこといつも考えてくれてて。

人一倍苦労してるって知ってるから。


ハルちゃんのこと、嫌いになれたら楽なのに。

やっぱり嫌いになれないや。

だってハルちゃんのことも大好きなんだもん。


諦める。

そう決めてからは、勢いで気持ちをぶつけて困った顔をさせてしまったお詫びに、カナちゃんの恋を応援しようとした。

でもね。

どう考えても二人にとって一番邪魔なのは僕の存在で。

悔しくて。

気付いたら当てつけみたいにお祝いの薬玉(くすだま)の中にアヒルさんの玩具を紛れ込ませてた。