4色のRain

グランプリ当日まで、俺たちはできるだけ普段通りに互いに接していた。


あいつのことは譲れない。

だけど仲間だから。

都合のいい話に聞こえるかもしれねぇけど、そんなことで俺たちの関係を壊したくはなかった。

多分、由依も紫水も清龍も、そしてあいつも同じ気持ち。

少なくとも俺様はそう信じてる。




“ちょっと来て”


グランプリの打ち上げ会場で。

赤面しながらそう言って紫水の手を引き、部屋を出て行くのを見て、ああ終わったと思った。

あいつが選んだのが清龍じゃなかったのは意外だったが、そんなことは今さらどうでもいい。


投げやりな気持ちになりながら、清川さんに命じられるままに一人、薄暗く寒い廊下で後片付けをしていた。