紅白告白対決。
そんな馬鹿げた企画であいつを相手に告白の真似ごとをすることになった。
企画の内容自体は事前に知らされていたから前もってセリフを考えていた。
なのにあいつと向き合った途端にそれが頭から飛んで……。
“……好きだ。
好きでわりぃか、チクショウ……//”
やっと口から出てきたのは、そんなぼやきにも似た情けねぇ言葉だけだった。
ほんと、情けねぇよな。
奏。
お前に恋をして、俺様は臆病になったよ。
番組収録後、痺れを切らした由依があいつに詰め寄った。
いつもならすぐに引き剥がしにかかる。
でも泣きながら訴える由依の姿を見て、あの時だけはそうする気になれなかった。
二人の間に割って入った紫水があいつにすべてを告げる。
“奏!!”
顔を歪めてフラフラと楽屋を去るあいつの様子が気がかりで、一度だけあいつの本当の名前を叫んだ。

