4色のRain




「他に好きな人ができたなら、そう言えばいいのに……」



そんなことはない。

あり得ない。



「……もう、嫌だよ」


君の心が折れてしまいそうになった時、そっと手を差し伸べて言う。



『ごめんね、傷つけて。

でも、僕は君が好きだよ。

君だけが好き。

愛してる。

だから、僕のことを嫌いにならないで欲しい』


――希(こいねが)うように。



君の手が僕の手に触れて。


僕は強引に君を抱き寄せた。



ごめん、愛してる。

君の心を嫉妬で真っ黒に塗り潰してしまいたいと思うほどに。



どこかで、紫色の花が落ちる音がした。




End.