「では、話終えましたか。棗さん。これから治療を行います。ひどい嘔吐や吐き気。それに、脱毛の可能性もあります。それでも承諾しますか?」
「はい。」
「わかりました。では薬を注入します。」
点滴で注入するから、少し時間がかかったりもする。
「大丈夫か?」
「疾風くん。大丈夫だよ。まだ薬の結果も出てないしw」
「棗、ここに残ってもらいたい人を2人選んで?」
え?
「どうしてそんなこと・・・。」
「いいから。」
梨緒の目は真剣だった。
それに、由真を残すな。そう告げているような気がした。
「じゃ、じゃあ・・・。省吾と・・・疾風くん・・・。」
「わかった。由真ちゃん。かえろ。」
「でも・・・」
「いいから。」
梨緒?
まさかこのとき梨緒がひどい目に遭ってるなんて・・・。
「棗?」
「眠れない?」
「うぅん・・・。梨緒が心配で・・・。」
「大丈夫だよ。」
<ピリリリー>
「ちょっとごめんね。」
病室には、省吾と私だけになった。
「だいじょぶ!」
そうニカッと笑う省吾になんだか笑ってしまった。
「梨緒が・・・!この病院に運ばれた!」
「え・・・・。」
「・・・足を・・。骨折したらしいんだけど・・・。複雑骨折で・・・。」
「そんな・・・。」
まさか由真が・・・。
そんな考えが頭をよぎった。
でもすぐに頭を振った。
妹を疑うなんて最低だよ・・・。
きっと違うよ・・・。
そう自分に言い聞かせた。

