「棗!!」
「梨緒。」
「もう~。先に行っちゃうからびっくりしたよぉ。」


梨緒は話し方が若干由真に似ている。
だからか、好きな人の話になると怖かったりもする。


「棗?大丈夫?今から体育だけど。」
「あ、うん。外周だけだし、ゆっくり走るよ。」
「そっか。」


梨緒は、おっとりしているのにスポーツ万能だったりするから、私はついていけなかったり。


「あ、棗!おっはよぉ。」
「あ、雅人。おはよ。」


彼、早川雅人。私の男子の中での一番の友達だ。


「梨緒ちゃんから聞いたぜ。体調に気をつけろよな。」


そんな不器用な優しさが雅人らしかった。


「ありがとう。」


私はゆっくり走り、かえるころはみんなが下校してる最中だった。


さっきから、吐き気もひどいし、かなり到着も遅かった。
1日の授業を無駄にしてしまった。


「あ~ぁ。」
「あ、棗じゃん。」
「疾風くん?!なんでここに?」
「いや、梨緒に用事があったんだけど、大丈夫?」


疾風くんがくるなんて思ってなかったから、髪もぐちゃぐちゃだ。


「大丈夫だよ。・・・げほっ!」


その瞬間ひどい吐き気に襲われた。


「大丈夫か?!棗!!」


意識が遠のいていく・・・。


「けほっ!けほっ!」
「棗?!はや兄・・・。」
「梨緒、救急車を呼べ。出来るな?」


梨緒がなきそうな顔をしてる・・・。

私の・・・せい?


梨緒は今日。。。
好きな人。ゆえ、私の元彼に会う予定なんだよ?


私の体調ごときで邪魔されたら・・・。


そう思ったとき、意識が途切れた。