七色*

「あ、私ちょっと売店にいってくるね。」
「そうか。じゃあ俺は花の水替えてるな。」


私は売店へと足を急がせた。


「え?由真・・・?」


そこにいたのは確かに由真と梨緒だった。

「な・・に・・して・・。」


私はそのいた場所が2人に近かったせいか、会話が聞こえてきた。


「棗ちゃんにはいってないよねぇ?」
「い、言ってないよ・・・。」
「ほんとに?言ったら・・・わかってるよね?」
「う、うん・・・。」


な。。に・・?この会話・・・。


「私さぁ、棗ちゃんには嫌われたくないんだよねぇ。」
「え?」
「実際梨緒ちゃんなんてどうでもいいの。疾風くんのこと奪うための道具に過ぎないんだから。」


由真・・・。

なに言ってるの・・・。


「それと。省吾。梨緒ちゃんには振り向かないよ。」
「ど・・して・・。」
「だって、双子だからわかるもん。きっと省吾は棗ちゃんを一生愛し続ける。ねぇ・・・。好きな人を全部奪っていく棗ちゃん。イヤにならない?」
「何言って・・・。」


由真・・・。

私と梨緒を遠ざけようとしてる?



きっと疾風くんが目的なんだ・・・。


「私は・・・。このことは棗には言わないよ。でも、棗を傷つけることは絶対にしないって決めてるから。」


梨緒の目は真剣で。

大げさに言えば、死んでもいい。そんな目をしていた・・・。