「梨緒!」
朝になり、まだ薬の効果が出ていなかったので、梨緒の病室に行った。
「棗ッ!ごめんねぇ。」
「誰に・・・やられたの・・・?」
「え?自分で・・・こけたんだよ・・・?」
「じゃあ、なんで言葉に詰まるの?」
私は朝になって確信した。
由真が・・・。来ない。
普通ならくるのに・・・。
「由真・・・なの?」
「違うよ・・。」
「そうでしょ・・?」
「違うって!棗落ち着いてよ!」
「梨緒・・・。」
私は梨緒の怒鳴り声にひるんでしまった。
「違うの。ほんとに。」
「でも・・・。」
「棗。もし本当に由真ちゃんなら。棗は由真ちゃんを攻めるでしょ?でも由真ちゃんの気持ちがわかるから・・・。だから・・・。」
由真の気持ちがわかる・・・?
どういうこと・・・?
「もう・・今日は帰って?棗も夕食の時間でしょ?」
「あ、うん。」
このときなぜ気づかなかったのだろう。
梨緒の出しているSOSに・・・。
由真に言わされていることに・・・・。

