「麻子があんたに言ってほしい言葉は・・・!」
いいや、違うよ。
きっと君が思ってる言葉じゃない。
付いてこいとそういったなら、
彼女はたちまちにどこかへ雲隠れしてしまっただろう。
その言葉だけで生きていける、ってね。
「本当にこの道しかないの?」
「うん、そう思ってる」
「本当に?」
「うん」
「麻子が本当は行かせたくないって知っても?」
「そんなのはもう知ってるよ」
「え・・・?」
「昨日、散々言われた」
「そう、だったんだ・・・」
疲れ果てた顔をしていた。
魂が抜けたような。
僕から見て、彼女はいつも寂しそうで、
それでいて、愛情を求めているようにも思えた。
彼女は僕の、同志なのだ。