壊された日常~消えていくクラスメート~

意識がもうろうとして飯田さんの笑い声も遠くなっていく




そのまま目を閉じそうになると、飯田さんに掴まれていた髪を離され床に頭を打ちつける




その痛みで意識は現実に引き戻される




「ちょっとまだだよ。なに寝ようとしてんの」




視線だけ上に向けると、飯田さんは冷たい目で俺を見下ろしていた




まだ何かされるのかと思うと背筋がゾクッとした




「あのさぁ…何で私がこんなことしたんだと思う?」




何でこんなことになったのか




それは俺が…いや、俺達3年C組の皆が知りたかったことだ




でも、今はそんなことよりこの現状から一刻も早く逃れたかった




飯田さんは笑顔のまま俺の右手の小指に包丁の刃を添える