壊された日常~消えていくクラスメート~

「飯田さん?」




教室の奥の隅に俯いて立っているが、あれは確かに飯田さんだ




しかし声を掛けても応答がない




おそるおそるゆっくりと飯田さんに近づく




「飯田さん…今までどこにいたの?多分もう俺達以外は全員…っ………」




俺はゆっくりと視線を下に移した




俺の左の脇腹には、俺の血で濡れた鋭く光る冷たい刃物が突き刺さっていた




視線の先を前に戻すと、飯田さんは虚ろな目で俺を見ていた




そしてそのまま……




「……っ!!」




声にならない叫びを上げる




必死に呼吸する俺の視界に、血が滴り落ちる包丁をしっかりと握った飯田さんが立っていた