こんなになるものなのか。
黒板の前で歌を歌うという罰ゲームをすることになってしまったわけだが。
頭真っ白、目の前真っ暗。足や手の指先がジンジン熱い。全身の血に集まっていくような感覚、いや、本当にそうなっているのかもしれない。
当事者と傍観者の違い。
視点が違うだけなのに。
クラスメートの視線がいつもより痛く感じる。卑屈になるのには十分だった。目の前が少し滲んできたところに友達からの助けが入る。
助かったと思う反面、情けないとも思った。
ばくばくばく。心音が身体中に響いて止まない。つんと顎をあげて友達に笑顔を向けるが余裕がないのはバレているんだろう。
落ち着いてね?
大丈夫?
そんな言葉もにこりと微笑まれたのも追い打ちにしかならない。そんなつもりじゃあないのに。